【屋上緑化施工で大切なポイント】芝・地被植物
屋上緑化の樹木:芝・地被植物
地被植物(ちひしょくぶつ)とは地表面を覆って地肌を隠す為に植栽する植物のことで、草丈が
低く性質強健な木本及び草本類のことをいいます。
グランドカバープランツ(ground cover plants)ともよく言われます。
意味する範囲が広いですから、芝、コケ、屋上緑化でよく利用されるセダムや常緑キリンソウなど
も含まれます。
ここでは芝だけ別に取り扱いしていますが、芝は種類も豊富で地域により使用され
るものにも特徴がありますので、あえて別にして説明させていただきました。
またここでの地被植物として、屋上緑化でよく使われているものを紹介しています。
屋上緑化の地被植物:芝について
芝には、暖地型のものと寒地型のものの2種類があります。
暖地型の芝には・・・
日本芝系のノシバ、コウライシバと西洋芝系のバミューダグラス
、セントピードグラスなどがあります。
日本の関東から南の大半地は温暖地になりますので、暖地型の芝が主に使われています。
寒地型の芝は・・・
ほとんどが西洋芝で、ベントグラス類、ブルーグラス類、フェスク類、ライグラス類などがあります。
日本では、北海道や東北、中部山岳など夏の涼しい地域では、寒地型の西洋芝がよく使用されています。
暖地型の芝は、生育適温が20℃〜25℃以上で、気温10℃以下になると生育が停止して表面上は
茶色く枯れた状態になります。
これは寒さや風による乾燥のために秋、冬の時期は休眠状態にな
るからです。
しかしまた、春になると新芽を出し生育を始めます。
一般的に乾燥には強いですが、耐陰性は弱いですね。
一方、寒地型の芝は生育適温が15℃〜20℃で、気温5℃以下になると生育が停止します。
こちらの芝は、成長速度が速く、 乾燥に対して弱いものが多いので、メンテナンスでは日本芝よりも手が
かかりますね。
しかし、暖地型と違いは、冬でも美しい緑を保ち日照不足にも耐えてくれますし、 種子で
簡単に増やすことができる・・といった長所があります。
分類 |
日本芝 |
西洋芝 |
生育適温 |
| 暖地型芝生 (夏芝) |
ノシバ コウライシバ |
バミューダグラス セントピードグラス |
20℃〜25℃ |
| 寒地型芝生 (冬芝) |
|
ベントグラス類 ブルーグラス類 フェスク類 ライグラス類 |
15℃〜20℃ |
上述の暖地型芝や寒地型芝には、ノシバ、コウライシバやバミューダグラス 、セントピードグラス、
ベントグラス類、ブルーグラス類、フェスク類、ライグラス類など各種の特徴を持った芝が多数あります。
それぞれ病気に強いとか、暑さに強いとか・・特徴がありますが、分かり易く項目別に掲載してみました。
住んでる地域の環境性などを考えて芝の選択も行ないましょうね。
葉の幅 |
耐暑性 |
耐旱性 |
| ライグラス類 フェスク類 センチピードグラス ノシバ ブルーグラス類 コウライシバ バミューダグラス ペントグラス類 |
センチピードグラス バミューダグラス コウライシバ ノシバ ブルーグラス類 ペントグラス類 ライグラス類 セントオーガスチングラス |
ノシバ コウライシバ バミューダグラス センチピードグラス フェスク類 ブルーグラス類 ライグラス類 ペントグラス類 |
耐病性 |
耐磨耗性 |
過度の損傷からの回復力 |
| ノシバ コウライシバ センチピードグラス バミューダグラス フェスク類 ライグラス類 ブルーグラス類 ペントグラス類 |
ノシバ コウライシバ センチピードグラス バミューダグラス フェスク類 ライグラス類 ブルーグラス類 ペントグラス類 |
バミューダグラス センチピードグラス コウライシバ ノシバ フェスク類 ペントグラス類 ブルーグラス類 ライグラス類 |
屋上緑化の地被植物:セダムについて

屋上緑化ではよく使用されてきている「セダム(sedum)」は、あまり関心のなかった方には
珍しい名前かもしれません。
セダムは、ラテン語でsedre(座る)の意味に由来しています。
これは、岩石や壁に着生する特性にちなんで命名されたということ。
植物図鑑では「野草」として掲載されたりしています。
年齢の高い方には、「マンネングサ(万年草)」「ベンケイソウ」と言ったほうが馴染みがある
かもしれませんね。
植物学的には「ベンケイソウ科」に属しています。
特徴は、多肉植物で乾燥に強く、繁殖力が旺盛なため切れた茎を放置しても簡単に活着
します。多くの種類は、春から秋には緑色で、冬には赤から褐色を呈し、初夏に茎の頂に
黄色い小花をつけます。
屋上緑化の地被植物:コケについて

国歌『君が代』にもありますが・・・「こけ」のむすまで・・。
というほど、繁殖力旺盛で緑豊かなコケ。
そのコケの種類は日本には約2,500種もあります。
その中でもスナゴケ(ギボウシゴケ科)やハイゴケ(ハイゴケ科)は、乾燥や強風、湿度をものともせず旺盛に繁殖し緑を形成してくれます。
他の屋上緑化の方法は、緑の育成のためにある程度の植生地盤としての土壌が必要ですが、
コケには根が無いので必要な水分、養分は空気中から吸収し、生育に土壌を必要としません。
ここは大きな特性ですよね。
また、コケは同じ種類であっても、様々な色彩を放ち生育していきます。
これはコケが、生育環境の微細な環境条件に反応しているからです。
季節・気象・光の明暗・基物の性質・他の生物からの影響などによって色や形態は固定されること
はなく、その環境変化に順応して生育し、多用な生態系を形成していく生命力の強い植物です。
屋上緑化の地被植物:常緑キリンソウについて

キリンソウ?・・って方も多いかもしれません。
キリンソウは、セダムと同じベンケイソウ科の多肉植物です。
学名は、ベンケイソウ科マンネンソウ属キリンソウ。
キリンソウの由来は、中国の古書に出てくる想像上の動物、麒麟(きりん)に由来すると言われ
ている縁起のいい植物です。キリンソウは日本各地の山地や海岸の乾いた岩の上などに自生
する植物で冬期間は落葉します。
しかし、常緑キリンソウは品種改良を行った結果、一年を通して緑を保つ様に改良した新品種で、
屋上緑化にもよく使用され始めました。
天然雨水が当たる所であれば3−5cmの薄層土壌で、灌水設備が無くても生育が可能で非常に乾燥
に強いことから植生が困難な屋上などにも適している植物です。生息温度−30度〜+40度と日本全
国どのような条件下でも生息が可能です。
薬用効果もあり蚊、蜂などの虫刺されとか浅い切り傷等にも効きます。
屋上緑化の地被植物:イワダレソウについて

イワダレソウは、クマツヅラ科イワダレソウ属の多年生植物です。
日本では野生種が伊豆半島〜南西諸島の海岸地域に分布し、世界的には約200種類あるといわれています。
イワダレソウは、茎は細長く、基部で枝分かれして地表を這い、節々から根を下ろします。
そして、各節から葉を出し、葉は対生で、倒卵状楕円形で鋸歯があり、長さは1-4cmで厚いです。
花は夏から秋に咲きます。葉の付け根から柄が伸びて少し立ち上がり、その先端に楕円形の
花序が付きます。花序は穂状花序ですが、花の間が詰まっていて、ちょうどワレモコウのような形
になるのが特徴。花はその表面に花びらを広げ、紫色です。
耐寒性もそれほど強くなく、冬場は休眠期に入ります。が、今では品種改良して開発し、耐寒性も
強いイワダレソウも出てきて、屋上緑化や矩面緑化に使用されています



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